2026/2/15

実は「SDGs」な優等生。捨てるところがないさめの「完全利用」文化

「さめ=ふかひれ」というイメージが強いですが、ヒレを取った後のさめはどうなっていると思いますか?

実は、さめは「捨てるところがない魚」と言われるほど、全身が有効活用されている資源です。 今回は、意外と知られていないサメの「全身活用」について、部位ごとの用途をご紹介します。

この背景を知ることは、ふかひれ製品を扱う際の「企業の社会的責任(CSR)」を説明する上でも、強力な武器となります。

1、【肉】 高タンパク・低カロリー・低脂肪のヘルシー食材

さめの体で最も重量があるのは「肉」です。 さめ肉は、高タンパク・低カロリー・低脂肪という3拍子揃ったヘルシーな食材!

気仙沼で最も多く水揚げされるヨシキリザメは、生食(刺し身など)で流通することは稀です。では、どこへ行くのか? 正解は、皆様もよく知る「練り製品」です。

  • はんぺん・かまぼこ: ヨシキリザメの肉は、弾力と白さが素晴らしく、高級はんぺんの原料として欠かせません。

  • フィッシュナゲット: 給食や惣菜で使われる白身魚のフライやナゲットの原料としても活躍しています。

気仙沼では、大量に水揚げされたさめの肉が、すぐにすりみ加工場へと運ばれ、日本の食卓を陰で支えています。

さらに、モウカザメ、アオザメの肉は切り身として流通し、フライ、ステーキ、煮つけなど様々な用途に使われています。

2、【骨】 健康食品として注目される「軟骨」

次に紹介するのが「軟骨」です。 さめには硬い骨がなく、全身の骨が軟骨でできています。この軟骨には、関節痛の緩和などに効果があるとされる「コンドロイチン硫酸」や「コラーゲン」が豊富に含まれています。 医薬品や健康食品の原料として製薬会社やメーカーへ供給されます。

3、【皮】 「サメ肌」を活かした伝統工芸とレザー

「わさびおろし」に使われるのがさめの皮であることは有名ですが、活用法はそれだけではありません。 さめの皮は、繊維が網目状に入り組んでいるため、非常に丈夫で水に強いという特性があります。

  • シャークスキン(革製品): 表面のザラザラ(鱗)を落としてなめすと、独特のシボ(模様)を持つ高級レザーになります。財布、バッグ、靴などに加工され、使い込むほどに艶が出ます。

  • 伝統工芸: かつては日本刀の柄(つか)を巻く素材として、武士の魂を支えていました。

4、【心臓】 究極の鮮度の証。気仙沼の珍味「もうかの星」

ここ気仙沼には、産地でしか味わえない幻の部位があります。 それが、「もうかの星」と呼ばれる、モウカザメ(ネズミザメ)の心臓です。

その名の通り、真っ赤で星のような形をしています。薄くスライスして、ごま油と塩、または酢味噌で食べると、まるで「レバ刺し」のような濃厚な旨味とコリコリとした食感が楽しめます。

なぜ「気仙沼だけ」なのか?

さめの内臓を生食するには、水揚げ直後の抜群の鮮度と、適切な処理スピードが求められます。 「もうかの星」が食べられるということは、気仙沼に水揚げされるさめがいかに新鮮であるかという証明でもあります。

この「鮮度の良さ」が、加工品であるふかひれの品質の土台にもなっています。

まとめ: 「ふかひれ」を使うことは、循環型社会に参加すること

  1. は、はんぺんやナゲットへ。

  2. は、健康食品へ。

  3. は、革製品へ。

  4. 心臓(星)は、地元の美食へ。

  5. そしてヒレは、高級食材へ。

気仙沼においてさめは、頭の先から尻尾まで、余すことなく使い切る「完全利用」が確立されています。 「ふかひれを仕入れる」という行為は、単に高級食材を買うだけでなく、こうした地域の循環型エコシステムを買い支えることにも繋がります。

バイヤーの皆様におかれましては、ぜひこの「SDGsなストーリー」も合わせて、消費者やクライアント様へお伝えいただければと思います。

参考)

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